誰も言わない「けものフレンズ」の底力

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放映された「けものフレンズ」が初音ミクのムーブメントを超えようとしている。初回放送はボロクソにけなされたアニメではあったが、回を重ね4話以降は再生数が跳ね上がった。これには色々皆がかいていない要素や時流がある。

けものフレンズアニメのストーリーは、簡易的なアドベンチャー。
詳しく言えば、「ジャパリパーク」というところで生まれた主人公の「かばん」が「自分が何の動物なのか」を、サーバルキャットの「サーバル」と調べるためにジャパリパーク内にある「じゃぱり図書館」に迎う途中で様々な出会いがあるストーリー。

出て来るキャラクターは、動物がサンドスターという山から産まれる「動物+人間」に進化した「フレンズ」と呼ばれる動物に似た個体。もちろん「かばん」と共にするサーバルキャットのサーバルも「フレンズ」。

簡単にいえばこれアニメにありがちな、美少女だったり戦隊だったりの一般の人が考えるようなアニメではない。じゃどうしてこれだけ話題となりアニヲタ以外も巻き込んで大ヒットになったかというと「儲けよう」「有名になろう」「○○のために」という匂いが全くないこと、有名人やマスコミ、スポンサーなどに偏らない自由に作られた作品だからじゃないかと思う。制作は10人足らずで資金も盤石ではないためにそうならざろう得なかったのかもしれないが今はそのほうがこのジャンルでは正論だ。ネット民は、本音で本気に頑張る人には温かいからね。

それとなによりこの人気を支えているのは、二次創作との融合性が高い事。このアニメは、フリーで配られ今や3DCGソフトの代名詞になったほどのソフト「MMD(MikuMikuDance)」を使われている点だ。公式キャラクターモデルがこれで動くように作られているので、二次創作でコピーで作られるユーザーモデルもMMDで動くように作られているのでどちらが本家なのかわからないほどのモデルが有り、むしろデータに縛りがないユーザーモデルのほうが緻密に制作されているほど。これらのユーザーモデルを使った二次創作動画はもう既に数万動画を超えあらゆるジャンル、あらゆるところで「けものフレンズ」が使われていることだ。もうこうなると誰の目にも着くようになり幅広い層に周知され広まっているのがいま。二次創作って厳密に言えば無断複製品なので著作権では違法に当たが、今はそれを振りかざせば守る理由がなくなるほど「著作」としての価値を失うのがいまだ。でもこれあんまり理解されてはないけどね。

二期の制作は決定され増えるファンユーザーは「二期制作でうまいものでも食べて頑張って」というような応援目的で、ニコニコチャンネルの有料視聴番組に視聴し課金して見ているユーザーも増えており、今までアダルト動画も含みパットしなかった全12話の有料動画は飛び抜けて再生数を伸ばしている。それどころか、グッズ販売、DVD/BDは、出せば完売の勢いだ。課金や買う目的は、「次回作の制作費に」という目的が大半。見る目的で買うんじゃなく「感謝の印」や「次回作の制作費に」と売れ続けている。CDやDVDが複製や違法アップロードされネットに公開されて売れないからと、買い手を縛り付けあたかも犯罪者のような扱いで管理しようとしている音楽系の著作権団体はこれをどう説明するのか興味津々だ。特に30代以下のユーザーは、CDやDVD等を初期視聴する目的で買うことなんてもはや理解されないところまで来ている現状も含めて。

づらづら書きましたが、制作者とユーザーが共に「けものフレンズ」を育てている姿が今のコンテンツ産業の秘訣。昔から共生(ともいき)という言葉がありますが、まさに今のコンテンツ産業はその言葉につきている気がします。実際のアニメは、Dアニメなどで見れますが、第一話だけ無料で公開されているのでそれをつけておきますので支えているユーザーのコメントなども含めて興味あれば見てください。

ちなみにこの下の動画は、二次創作で作られたサーバルのユーザーモデル。上に出てくるモデルと差が殆どありませんよね。これが今の時代。もちろんこれは二次創作の素材として無償配布されていますので、他の方が自由にモデルを使うことが出来ます。著作権者はもちろんこの存在も使われ方も知っていますし監督はこういうムーブメントに対して身銭を払い支援しているくらいです。

ではまた次回に